サポート・支援事例

2014/04/17
遠方にお住まいのご家族に代わって…
サービス付高齢者住宅に入居中、末期癌がみつかり急性期病院に入院となったSさん
ご家族がやむを得ない事情で関東に行かなくてはならなくなり、今後入院中のお世話や万が一の対応も出来なくなるとの事で、ケアマネージャーさんを通じてえにしの会に相談があり、支援をさせて頂く事となりました。

入院中のSさんに初めてお会いした時に「これからお願いします」と快く受け入れて下さり、ホッとしたと同時に最後まで支援していく責任の重さも感じました。
Sさんに告知はされていませんでしたが、その時既にご家族には余命の宣告はされている状況でした。

その後すぐに急性期から療養型の病院への転院が決まり、ご家族と一緒に転院先のソーシャルワーカーさんとの家族面談に同行し、今後の方針や緊急時の対応、お支払について等を協議しました。

病院側にはえにしの会がご家族の代わりとなって責任を持って対応することをご理解頂きました。

療養型病棟に移ってからはご家族と協議の上で週3回訪問し、病状確認と共に病棟内テラスでの車椅子散歩や、洗濯物の処理(週2回入浴)、必要物品の買い出しやお話し相手を主に行いました。

支援をしていく中で、次第に信頼し頼って頂けるようになり、過去にあった出来事や趣味の話、楽しかった思い出話しなどを聞かせて下さるようになり、いつの間にか私も本当の家族のような気持ちで接していました。

転院してしばらくは状態も安定し笑顔も出ていましたが、日に日に状態の悪化を感じ主治医の先生に伺うと、「余命は二週間程度だろう」というご判断でしたので、すぐにご家族やケアマネージャーさん及び関係者に連絡し状況報告を行いました。

その後、Sさんは発声がうまく出来なくなっていたのですが、「散歩に行きたい」と一生懸命声にされていました。
何よりも車椅子での散歩を楽しみにされていたので、一緒に散歩を出来なくなった事が非常に残念でなりませんでした。

次に支援に訪問した時には酸素マスクを付け、嚥下機能も低下し食事もご自分で摂取出来ず点滴を受けられており、主治医の先生と万が一の対応について協議させて頂きました。

それから二日後の朝に看護師長さんから今すぐ来て下さいと緊急連絡があり、すぐに駆けつけましたがお亡くなりになった直後でした。

終末期ということは分かってはいましたが、今まで家族のような気持ちで関わらせて頂いていた方がお亡くなりになり、非常に寂しく、やりきれない気持ちでした。

すぐにご家族やケアマネージャーさん、その他関係者全てに連絡、調整しながら葬儀社の手配を行い寝台車にて葬儀会館へ搬送となりました。翌日には関東からご家族の方々も駆けつけ葬儀、最後のお別れ後、火葬、霊園にてお墓への納骨までサポートさせて頂きました。

ご家族に「えにしの会にお願いして良かった。感謝してもしきれない」と言って頂き、縁あって支援が出来た事に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

お亡くなり後の支援としては、携帯電話、健康保険、介護保険、年金の停止、郵便物の整理なども行い、残されたご家族が今後困らないよう対応しました。

今回の支援を通して、業務としてではなく信頼関係という人との繋がりを感じ、何かお役に立ちたいという強い気持ちを持って支援を行う事が大切だと実感しました。

様々な事情でお悩みの方がいらっしゃいますが、一人でも多くの方に安心して任せて頂けるよう努力して参ります。
柔軟な対応を心がけていますので、どなたでもお気軽にご相談ください。