70代のT様は、ご主人様に先立たれ一人での生活にご不安があり、 元気なうちに希望する「ケアハウス」へ入居したいとの思いから、 えにしの会へご入会されました。
お引越しの時には、思い出のたくさん詰まった物を全て運び出すわけにはいかないので、これからの新しい生活に必要な物を一緒に考えながらご準備しました。
手放さないといけないものも多くありましたので、少し消失感を感じていたようです。
何よりもご主人様との思い出を大切にされているT様でしたので、 入居して落ち着いた頃に、ご主人様・ご親戚のお墓参りにご一緒させていただきました。
道中は、ご主人様との思い出話やケアハウスでの生活をたくさん聞かせていただき、お元気なご様子に安堵いたしました。
墓前で、えにしの会に手伝いをしてもらっていることや今の生活のご報告をされているのを聞いていると、
「お父さん、娘を連れてきたよー」と、私を紹介され驚きましたが、 T様にとって家族同然に思ってくださっていることに、 大変ありがたく感じ、胸が熱くなりました。
私も墓前に手を合わせ、「T様が穏やかに安心して暮らせるお手伝いをしますね。」とあいさつをさせていただきました。
今後も家族のように頼られる存在であり続けたいと思いますので、 T様と同じ目線で寄り添ったお手伝いをしてまいります。
最近、会員様より補聴器作成を要望があり、そのお手伝いをさせていただきました。
元々車いすで生活をされている会員様なので、耳鼻科受診の送迎や補聴器の作成の際の
送迎などの支援を行いました。
お店に赴くにあたっては事前にご本人にしっかりとヒアリングをして、
ご希望に添ったものを作成できるようにお手伝いをさせていただきました。
以前はメガホンなしではなかなか会話のやり取りが難しく、ご本人様もお困りだったと思いますが、
施設の方からも補聴器のおかげで会話がスムーズにできるようになり喜んでらっしゃるという
お話しを聞きました。
えにしの会ではご高齢の方の施設入居のお手伝いだけではなく、入居の後にお困りのことがあれば、
その方ごとに求める内容の支援を行わせていただいております。
今後とも会員様のご希望に寄り添い、施設に入られた後も気持ちよく生活できるよう
支援していきたいと思います。
毎日何気なく過ぎていく日常の中で、自分の意志を強く持ちながら暮らしていくのは意外と難しいのではないかと思います。溢れる情報、見知らぬ誰かの口コミ、一体何を信じればいいのか分からなくなる事が多い情報過多の昨今、ご自身の『生き方へのこだわり』を貫き、新たなスタートを切った会員のS様のお話をさせて頂こうと思います。
S様はご主人様に先立たれ、お一人で暮らされていました。ご年齢の事と足の痛みもあり、施設へ入居する事にあたり、えにしの会にご依頼がありました。
初めてお会いした時から初対面とは思えない程優しく、気さくに会話をして頂き、支援を行った私も仕事ながらとても楽しい時間を過ごさせて頂いたのを今でも覚えております。
S様はその明るさだけではなく、『自分がどんな事を望むか』という事を明確に持っておられ、その信念の強さにびっくりもさせられました。
S様はご友人が多く、そのご友人達と繋がりを持ち続けたい事、通っているデイサービスに通い続けたいこと、自由に外出出来る施設へのこだわりなど、ご自分がどんな事が好きなのか、どんな事が嫌いなのか、ハッキリと伝えてくださいました。
その結果、S様はご自分の全ての希望にあった施設にご入居され、新しい生活がスタートしました。
私が支援に入った際も、ご友人達との楽しい出来事をいつも聞かせてくださいます。
「自分に合った施設を諦めずに探して良かった」とも話されています。
私達は、『人生は一度きり』と頭では分かっていながらも、いざ決断する時になると自分の本当の希望を叶える事に対して臆病だったり、面倒に感じて「まぁいいか」と思ってしまいがちですが、S様の生き方を目の前で見させて頂き、自分もそうで在りたいなと考えるようになりました。
これからもS様がより良い人生を歩めるよう、サポートさせて頂きたいと思っております。
そして人生の先輩として会員の皆様からの刺激を受け、支援員の私も日々成長していければと思っております。
お父様、お母様、お嬢様の三人で長年支えあってきたご家族をご支援してます。
ご両親はご高齢、お嬢様はご病気の影響で三人揃い特別養護老人ホームへ入居してましたが、
残念ながら先日お父様がご逝去されました。
会員様の多くはご家族がいらっしゃらない、いらしても長年疎遠など背景も様々。
ご葬儀参列者は支援担当者だけというケースが多い中、今回はご親族数名との連絡手段を
確保してましたので、9名のご親族がご参列くださいました。
殆どのご親族からすれば、えにしの会がどの様な会なのかも分からない状況でしたので、
お父様との想い出を語る形でこれまでの支援内容をお伝えした所、深くご理解くださり、
また温かな感謝のお言葉も頂戴しました。
長年往来の無かったご親族にとって、ご生前のお元気な頃のお話は貴重な情報ですし、
お父様のお人柄からもきっと喜んでくださってる事と思います。
ご家族の中心として頑張って来られたお父様が亡くなった今、残されたお二人の支援が本格化され
ますが、ご親族より「あなたが担当者なら安心」と仰って頂きましたし、旅立たれたお父様に心配
されないよう心ある支援を続けて参りたいと思います。
最後に、お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
「まさかこんなことになるなんて思ってもみなかったわねえ。」
今日、病院の待合室で、Y様が懐かしむような口調で仰いました。
たしかに、この半年はY様にとって思ってもみないことばかりでした。
有料老人ホームに入居されている70代のY様。
ホームへの入居にあたって「保証人がいない」ということでえにしの会と契約し、その後も月に1回程度、
買い物や受診のサポートをしていました。
昨年秋ごろ「最近胃の調子が悪くって、胃薬が欲しいかも。」と病院を受診したところ
胃がんを発見。ステージ4でした。
Yさんにとって初めての手術。
医師の手術説明を一緒に聞き、保証人として同意欄にも記入を行いました。
大きな手術になるため、Y様の心の負担はかなり大きかったと思います。
「一緒にがんばりましょうね。」と声をかけながら、サポートをしました。
入院する日、こころなしか不安そうだったY様も、退院でお迎えに行った時には「やっと施設に戻れるわ~。」と
いつも通りの明るい笑顔を見せてくださって、私も安心したのをよく覚えています。
それからは、抗がん剤治療のために月に1度病院を受診し様子をみています。
毎月、病院の待合室でわたしたちはいろんな話をします。
昔飼っていた猫の話、若いころのお仕事の話、旅行や食べ物の話、施設での生活の話…。
今日は、初めてがんと宣告されてからの、この半年のことを話しました。
「あなたとバディになってから色んなことがあったわね。まさかよねえ」
Y様は、私のことを「担当」ではなく「バディ」とおっしゃいます。
今では私のお気に入りの言葉の1つになっています。
これからもお元気でY様らしく輝き続けていただけるよう、「まさか」の事態にも
“バディ”として一緒に乗り越えていきたいと思っています。会員様のご家族様からメールを頂きました。
最近はお子様がいらっしゃっても様々な事情でお父様やお母様、ご兄弟の支援をさせて頂くことが増えております。
このようなメールを頂き職員の励みになります。
こちらこそありがとうございます<m(__)m>
↓
お元気でしょうか?
今まで大変お世話になりました。
私が海外赴任となり、妹も当時は障害を持った子供を抱えており、父のケアをどうするかが1番の気がかりでしたが、
〇〇さんをはじめ〇〇さんにも本当に良くして頂き、父のみならず我々も大変心強かったです。
えにしの会に出会えたことに心から感謝してます、どうもありがとうございました。
これから暑い夏となっていきますが、くれぐれもお体をご自愛ください。
〇〇〇〇
A様のご相談を頂いたのは、病院の相談員様からでした。
入院中にADLが下がり、施設への入所が決まった男性がいるが保証人がいない。
奥様は特養にご入所されており、息子様はおられるが疎遠で保証人をされない。
えにしの会の事をお伝えした所、入所希望の男性、息子様、共に契約を了承して下さった
との事でした。
病院でA様とお話し。えにしの会と契約を行い、施設入所のお手伝いをさせて頂きました。
その後、A様とは通院のご支援や色々な外出支援などを行いました。
中でも特養にご入所中の奥様の面会に行かれる外出支援を楽しみにされていました。
程なくして、A様は体調を崩されご逝去される事になります。
息子様とのお話の中で、お葬儀は息子様が、それ以外の役所関係含め各種手続きなどは
えにしの会がお手伝いさせて頂くこととなりました。
お葬儀後に息子様にお話した内容がとても印象深く、今でも覚えています。
「以前は父と色々な過去があり、とても自分一人で父の面倒を見るという気になれなかった。
しかし、えにしの会に入って貰って自分一人で父の面倒を見なくていいと思えたら
とても気が楽になった。最後の最後になったが父と向き合えたのはえにしの会のお陰です」
ご家族には色々な形があります。
これからも、2つとして同じ形のないご家族に対する支援を続けていきたいと思います。
K 様は高齢者向けシェアハウスに入居されています。
月 に 一 度 外 出 し 、生 活 必 需 品 な ど の 購 入 や 散 髪 、何 よ り 昼 食 時 に 飲 む ノ ン ア ル
コールビールが楽しみだと仰います。
外 出 日 に 施 設 へ お 迎 え に 行 く と 、い つ も 玄 関 前 の ベ ン チ に お 掛 け に な っ て お り 、
満面の笑みで「楽しみに待っていたよ」と声をかけてくださいます。
あ る 日 、い つ も と 同 じ よ う に 買 い 物 を 終 え 、昼 食 を と る 際 に
「 今 日 は ノ ン ア ル コ ー ル ビ ー ル は 飲 ま な い 」
と 仰 い ま し た 。
気 分 を 害 さ れ た の か と 心 配 し ま し た が 、
「 早 め に 店 を 出 て 、 近 く に あ る 公 園 の 大 き な 桜 を 見 て 帰 り た い 。」
「年 に 一 度 し か 見 る こ と が で き な い 。」
「毎 回 見 れ る の が 当 た り 前 と 思 わ ず 、日 々 を 大 切 に し な く ち ゃ ね 。」
私 は そ の 言 葉 を 聞 い て 、当 た り 前 に な っ て い る こ と 大 切 に し て い こ う と 思 い ま し た 。
支 援 の 時 間 が よ り 良 い 時 間 に な る よ う に 考 え る こ と の 大 切 さ を 再 認 識 し た支援でした。
男性会員様のA様が難病を抱えて、施設入居されました。
施設に入居すると、おのずと行動範囲が狭まりますし、体のきつさもあって
自分がしたいことを伝えることができなくなってきていました。
面会に伺っても言葉が少なくなり、お声も小さくなってました。
毎日ベッドの上でじっとしている日々を過ごされていました。
ご両親、ご兄弟を亡くされてますのでご家族の縁が薄く寂しさを感じているようでしたので、
Aさんになんとか笑顔になって貰えることはないかと考えていました。
ある時、Aさんとの会話の中で「誰か会いたい人いますか?」と聞いたところ。
「姪に会いたい」と答えられました。
姪御さんの電話番号は知らないようでしたが、ご実家の電話番号は知っている
とのことでしたので、私が連絡させていただくと伝えましたが、
Aさんは、「いいよ。連絡しなくて」とおっしゃいました。
実は、えにしの会への入会は施設入居の際に、手紙で姪御さんに身元保証人を頼んだが断られ、
それでえにしの会が身元保証人となり施設に入居された経緯がありました。
結局、連絡だけしてみますねと伝え、Aさんも小さく頷いてくれました。
後日、姪御さんと連絡がとれ姪御さんから聞いた話しをAさんに伝えに伺いました。
電話でお聞きした話をそのまま伝えましたが、
その話しを聞いて、いつもは無表情のAさんが突然こらえきれなってむせび泣きされ、
大粒の涙を流されました。
Aさんは、ずっと施設入会の身元保証人を断られたことで、姪は自分のことを良く思ってない。
嫌っていると思われていたみたいです。
姪御さんの話では、身元保証人を断ったのは、その時にご自身も親の介護やお子さんの
受験などがあり、そんな中ではちゃんと面倒をみてあげることができないし、中途半端に
関わることはAさんの為にはならないという想いから身元保証人を断られたようです。
実際にすごくAさんのことは気に掛けていらっしゃいました。
自分のことを良く思っていないということではなく、やむをえないことがあったとのことを知れて、
今までのわだかまりが消えたようでした。
その後、施設に姪御さんがご家族と面会にきてくれて数年ぶりの対面を果たされました。
姪御さんやご家族と話をされる時には、いつもは体のきつさから小さい声しか出せなかった
Aさんでしたが、再会ができて本当に嬉しかったようで、声をはりにこやかに楽しそうに
話されていました。
私もそんな素敵な場面に立ち会わせていただき、Aさんの心からの笑顔が見れて、
とても嬉しく思いました。
A様とB様は、高齢者施設に入居されているご夫婦です。
娘様がお一人いらっしゃるも、外国で生活をされているため日常的な支援や緊急時の駆けつけが難しい状態。
そのため、今後はえにしの会が娘様に代わりサポートしていくことになりました。
普段は面会や病院受診の付き添い、役所関係の手続きなど、日常的な支援を娘様に代わってサポートしています。
ある時、施設から「A様の体調がよくないため緊急搬送します」との連絡が入りました。
私は、外国にいる娘様に連絡を取りながら病院へ駆けつけましたが、残念なことにA様はお亡くなりに。
コロナの影響もあり、娘様の来日は最短でも1ヶ月ほどかかるとのこと。
そのため娘様と相談し、葬儀はB様とえにしの会で執り行い、娘様が来日してからご希望の納骨先へ納骨する流れとなりました。
娘様が来日するまでに、えにしの会でA様の死後事務手続きを行いましたが、相続については娘様が来日しなければできないという問題がありました。
そのため、各関係先と調整をして娘様の来日までに必要書類を用意し、娘様の限られた滞在期間中に無事に終えることが出来ました。
娘様には「書類を準備してもらったおかげでスムーズに手続きできた。お世話になりました」と声をかけていただき、
B様からも「娘が外国にいるので一人では不安だった。ありがとう」と感謝のお言葉をいただきました。
今後もB様の気持ちに寄り添いながらサポートさせていただきます。