Kさんは93才の女性で、ご自宅で1人暮らしをしています。
歩行など多少の介助が必要ですが、ほとんどのことをご自分で行えます。
93才とは思えない程、記憶力も判断力も健在で、私が憧れる女性の1人です。
ある日Kさんから公正証書遺言の変更をしたいと話がありました。
Kさんにはご家族はおらず、ご自分の財産は友人の息子であるA氏に渡したいというご意向があり、
すでに公正証書遺言を残していました。
変更したい部分は、自宅マンションをそのままA氏に相続させる点と、祭祀継承者としてA氏を指定している点。
これらがA氏に負担をかけてしまうのではないかと心配になったということでした。
自宅マンションは遺言執行者である司法書士が売却し、現金化したうえで相続させること、祭祀継承者
についての項目は削除するという変更を行いました。
私も証人となり公証役場に立ち会い、無事に新しい公正証書遺言を作成することができました。
その後えにしの会と、葬儀と納骨の追加契約を行ない、Kさんの死後の全てをえにしの会が
お手伝いさせていただくことになりました。
亡くなった際に連絡して欲しいご友人の確認や、ご自宅の家財処分の見積と費用のお預かりも
既に済ませてありますので、これでKさんの終活が一区切りついたことになります。
全ての手続きが終わった時にKさんは「これでいつでも死ねるわ」と笑顔で話されました。
Kさんはいつも穏やかで、不安や不満といった心の内を語らない方でしたので、この時に見せてくれた
心底ほっとしたような笑顔がとても印象的でした。
Kさんのお役に立つことができてとても嬉しかったです。
終活は終えましたが、これからもKさんへの支援は続きます。
今後も健やかに過ごしていけるようサポートができる存在でありたいと思っています。