2021/05/22
支援員の仕事
マンションで一人暮らされている会員のY様は、お体は比較的お元気で買い物や病院等への通院などもおひとりで対応されていました。ただ、聴力が弱く、電話や玄関のチャイムが聞こえず、定期的な訪問や連絡の際にすれ違ってしまうことや電話でのやり取りが難しいことも多く、見守りなどに不安を感じていました。
ある日、マンションの敷地内で転倒されているところを管理事務所の方が発見していただき自宅まで送っていただきましたが、その後様子確認のため部屋を訪問された際、チャイムが聞こえず、反応できなかった結果、安否確認のために消防署により窓を破損し居室内に入り安否を確認されたという事がありました。
両耳の聴覚をほぼ失っておられ、お一人暮らしでの生活のなかで、連絡や安否確認をどのようにしていくか、とても大きな課題が浮き彫りになった瞬間でした。
毎日訪問することもむずかしく・・・
いろいろ考えた末に一つの方法を提案することにしました。
それはスマートフォン(以下、スマホ)を使ったLINEアプリでのやりとりです。
ただ、これまでYさまは、スマートフォンはおろか、携帯電話すら使用したことがなかったのです。
好き嫌いがはっきりした方なので拒否反応も覚悟してご提案したところ
「すぐに購入しよう!」という前向きなお返事をいただきました。
携帯ショップへの同行、購入、操作に慣れていただくための支援は試行錯誤でした
最初は、LINE起動や文字入力に大変戸惑っていらっしゃいましたが、
一週間で、音声入力を取得され、
三週間で、文字入力を・・・
今では、漢字変換もほぼ完璧に取得され、冗談もLINEで返信できるようになられました。
Yさまの不屈のチャレンジ精神と努力のおかげで、私達との連絡や安否確認、ケアマネージャー様とのやりとり等も問題なくコミュニケーションをとる環境を構築できました。
すぐに諦めてしまい、スマホを解約したいと仰るのではないか、と不安に思っていた私ですが、Yさまのチャレンジ精神に励まされこのような環境が整えられました。
私達、支援員の仕事は、「会員さまの抱える課題や目標に向かって、会員様と一緒にどのように最良の答えをみつけることができるのか」なのではと感じています。
会員様と一緒に課題を乗り越えた時の喜びは絶大で、ほっこりしてしまう
そんな仕事なのだと思っております。