サポート・支援事例

2024/02/29
家族の絆
 

私が入社して間もなく、担当させて頂いた会員様のお話をさせて頂きます。

末期のがんを患っていたA様。豪快な性格で多くは語りませんが優しい性格で九州男児を体現したような方でした。

A様からは事前の聞き取りで、頼れる親族はおらず、ご子息・ご息女様がいらっしゃったのですが、折り合いが悪く、万が一の際の事を考え、死後の事を全て任せたいと当会へ入会をされました。

生活支援の回数はあまりありませんでしたが、ご自宅に訪問した際は、将棋が好きで、よく将棋を指してらっしゃった姿が今でも目に浮かびます。

当会に入会後、地域のケアマネージャー、訪問看護、ヘルパー等、様々な方々と連携を取り、出来る限りのケアをさせて頂きましたが、A様は入会から約4カ月後、息を引き取られました。

A様のご生前の御意向通り、ご子息・ご息女様へA様がご逝去されたこと、葬儀と納骨の日程をお伝えしました。

直葬での葬儀を行う際、当会のみで行うつもりで火葬場へ向かうと、現地には、ご子息・ご息女様だけでなくA様のお姉様もいらっしゃいました。

皆様、それぞれ涙を流しながら最後のお別れを惜しまれていました。

その姿に、言葉では言い表しにくいのですが、心の底の部分での、家族の絆を垣間見た気がします。

この件があってから、当会の会員様と接するときは、「もっと会員様に対して出来ることはないのか?」、「この選択は会員様に対しベストな選択なのか?」を考え、家族の代わりとして日々の支援をさせて頂く、私の考えの基盤となったエピソードでした。