埼玉県の施設にご入所されている、80代のT様のお話です。 T様は糖尿病を患っておられ、食事については医師から指導を受けているため、お好きなものを自由に召し上がる ことができません。 ご自宅で生活されていた頃は、甘い飲み物がお好きで、お食事もご自身の好みに合わせて楽しまれていました。 そのため施設へ入所された後も、以前のような食生活を希望されることが多く、施設で提供される食事以外に飲食物の 購入代行をご依頼いただくことがあります。 もちろん、健康面を考慮すると全てのご要望にお応えすることはできません。 単に依頼されたものを購入するだけであれば簡単かもしれませんが、私たちはT様の生活と健康の両方を大切にしたいと 考えています。 そこで施設の職員の皆様や主治医の先生と何度も相談を重ねた結果、「少量であれば楽しんでいただいてもよい」という 判断をいただくことができました。 現在は、糖質やカロリーを抑えた食品の中から、ご本人のご希望を伺いながらお渡ししています。 T様はとても喜んでくださり、私たちも嬉しく感じています。 私たちは、ご本人のご要望をできる限り叶えたいと考えています。 しかしその一方で、健康状態や生活環境を踏まえ、あえてご希望の一部をお断りしなければならない場面もあります。 「本当にこれで良かったのだろうか」「もっと別の方法があったのではないか」と考えさせられることも少なくありません。 「ご本人らしい生活」と「健康の維持」の両立を目指し、関係者の皆様と連携しながら支援を行っています。
現在、神奈川県海老名市にお住いの90代のSOさんのお話です。 元々福島県の生まれでしたが、就職を機に関東へ来られ神奈川県に50年以上住まれている方でした。 長く独身生活を行っている方でありましたが、ご病気の為入院。 入院先の病院でソーシャルワーカー様からご紹介をいただき弊会とご契約をいただきました。 ご契約後、ご自宅での生活を強く希望されたためケアマネージャー様や様々なサービスを利用することでご自宅での サポートを一丸となり行っていましたが、ご自宅で再度倒れてしまい再度入院をすることとなりました。 再入院をきっかけに、本人とケアマネージャーを交えたお話をする中で施設入居を検討してみないかということになりました。 ご本人は環境が変わることへの不安が大きく最初は拒否することもありましたが、約1~2か月ほどの話し合いを重ね施設へ 入居することが決まりました。 いざ、入居を終えたその翌日にSOさんから電話がございました。 「家に帰る」その一言に私はとても驚いてしまいました。 もちろん勝手に帰ることはできないのですが、ご自宅への思いが強かったと、慣れない環境への不安があったとのちに ご本人からお伺いしました。 当時の健康状態では、到底ご自宅で一人暮らしというのは難しく、施設で何とか生活していただくためにどうすればよいのかを 必死で考えました。 一番に考えたことは寄り添い続けるということ。 とにかく話を聞き、不安を取り除き、ご希望に寄り添うこと。 例えば居室内の環境をご自宅に似せることです。 間取りは違くとも、ご自宅に住環境を寄せることでご本人に安心感を覚えてもらうために行いました。 そして定期的な訪問を重ねたことです。 この生活サポートという仕事だけではなく、「社会・人間関係」というのは「信頼」の上に成り立っていると考えます。 見ず知らずの人間に将来を任せるというのは大きな決断であり、そこを任せていいただくには信頼が必要となります。 どうすれば信頼を得ることができるかを考え続けた結果、ある時からSOさんの態度が変わってくるのを感じました。 強かった口調が穏やかになり、自宅ではなく入居した施設で暮らすことを決心してくださいました。 SOさんは「これだけ自分の為に一生懸命にやってくれるのがほんとに嬉しかった。 だからこそここで最後までえにしの会のサポート受けたい」あれだけ穏やかな笑顔のSOさんを見たのは初めてでした。 今では、会うたびに当時の話を笑い話としてしゃべっています。 私自身、この事例は入社して半年も満たない時の出来事でした。 今でこそ笑い話や穏やかな気持ちで執筆していますが当時は、私も不安でいっぱいでした。 きっとその不安が見えてしまっていたのかもしれません。 しかし、この経験が今では仕事における財産の一つになっています。 まだまだ、知らないことばかりだからこそ新たな視点もあるかもしれません。 これからもたくさん経験をし、一人でも多くの人と信頼を積み重ね、サポート・支援に従事していきたいと思います。A様はサービス付き高齢者向け住宅で生活されていましたが、病状の悪化により、より強い痛みのコントロールを含む医療的な対応が必要な状況になりました。 しかし、当時お住まいだった施設では必要な医療体制を整えることが難しく、転居先の検討が必要となっていました。 受け入れ可能な施設は見つかったものの、保証人がおられないことが理由で入居手続きが進まない状態となり、施設から弊会へご相談をいただきました。 すぐにA様と面談を行い、サービス内容をご説明したうえでご意思を確認し、後日ご契約となりました。 契約後は、施設・ケアマネジャー・担当医師と連携を取りながら調整を進め、初回面談から約2週間で新しい施設への転居を行いました 新しい施設へ入居された際、A様からいただいた「本当にありがとう」という言葉は、今でも強く印象に残っています。 そして入居後まもなく、A様とは最期についてのお話も進めさせていただきました。 葬儀はできるだけ簡素にしてほしいこと、ご両親と同じ形での海洋散骨を希望されていることなど、死後のご意向を一つひとつ確認し、契約内容にも反映しました。 A様は「これで安心しました」とお話された1週間後にご逝去されました 短い期間の中でも、ご本人の意思を尊重しながら、入居時の保証だけでなく、その後の生活や最期への備えまでお手伝い出来たことは忘れられない支援となりました。
北九州市にお住まいの80代、T様のお話です。 T様は長年独身を通され、親族とも長らく音信不通の状態でした。 ある日、外出先で倒れ救急搬送されましたが、意識が混濁するなかで病院から求められたのは 「身元保証人」のサインでした。 私たちが病院へ駆けつけた時、看護師の方は安堵の表情を浮かべておられました。 私たちは即座に保証人として手続きを行い、ご本人の代わりに自宅へ戻り、入院に必要な寝巻きや 洗面用具、そして大切にされていた眼鏡を揃えて病室へお届けしました。 病状が落ち着いた後、T様は「誰も来ないと思っていた。 あんたたちが来てくれて、ようやく自分が一人じゃないと実感できたよ」と涙ながらに仰いました。 その後、リハビリ専門の病院への転院調整も私たちがソーシャルワーカーと連携して行い、 現在は穏やかな療養生活を送られています。
住み慣れた我が家を離れる決断は、勇気がいるものです。
K様との出会いは病院からのご紹介でした。 退院して施設へ入所する際、身元保証人が必要となり当会がその役割を担うことになったのが始まりです。 初めてお会いしたK様はこれからの生活への不安からか、沈んだ表情ばかりされていたのが印象に残っています。 ご主人を亡くされてから、自宅に引きこもりがちだったK様。 怪我からの長期入院をきっかけに身体機能が低下し、病院からは「帰宅困難」と告げられました。 それでも「自宅へ帰りたい」という強い思いを受け、ヘルパーやショートステイをフル活用し、私たちも全力でサポートしました。 しかし室内での転倒による再入院が続き、身体への負担に加え、重なるサービス費用など金銭的な不安も膨らんでいきました。 「これ以上の自宅生活は危険」という医師の診断を受け、ご本人・病院・私たちで何度も話し合いを重ね他結果、K様にとっては 苦渋の決断でありましたが、自宅を売却して施設へ入所する道を選ばれました。 入所当初は不安からか私へ電話をされることが多々ありましたが、今では環境にも慣れて、施設でできたご友人と週一回の 移動販売やリハビリを楽しまれています。 面会に伺うとK様は満面の笑みでこう話してくださいます。 「自分の体や家のことが不安で仕方がなかった。えにしの会に入っていて本当に良かった」 かつての不安そうな表情はなく、今では前向きに毎日を過ごされています。 私たちはこれからも、K様が自分らしく笑顔でいられるよう支え続けてまいります。M様と初めてお会いして6年が過ぎました。 最初の頃は事あるごとに強い口調で声を荒げることが多かったM様。 中学生の頃に病気になりその後なかなか思うように学校に通えなかったこと、仕事が続かなかったこと、病気のために結婚ができなかったこと、いろんな人に心を傷つけられてこられた過去があると、ケアマネジャーからお聞きしました。 どうしたらMさんと信頼関係を築けるか? 信頼関係なくして良い支援は難しいものです。 M様はいくつも病気を抱えておられるため、おのずと受診付添いなどの支援が入ります。 周りの関心を集めるために付添い中も意識的にけいれん発作を起こしたり、大声で叫び周りを混乱させるなどが頻繁にありました。 希死念慮があるとの理由で施設から強制退去勧告、その度転居を余儀なくされまたその繰り返し・・・。 3ヶ月ともたず入院されるなど、施設での生活も不安定なものでした。 ご本人との信頼関係を築く前に、関係各所もっとM様のためにできることがあるのではないか。 ケアマネをはじめ、訪問看護や施設スタッフ、PTや主治医とも密に連携を取り、必要であればご本人を交えランチを共にするなど、本当の意味での支援者一丸となりM様の心の安定について模索しました。 「ずっとサポートするからと言われても、すぐにみんな離れていったの。」 ある日の付添いの待ち時間にぽつりとこぼれた言葉。 そのあとに、「でもえにしの会は、私の最期までみてくれると安心しました。 やっと安心できました!皆さんで支えてくれてありがとう。」とM様らしい笑顔で仰いました。 今ではご入院されることもなく、お会いすれば昔の辛かったことを笑い話にできるほどお元気になられました。 その方のお気持ちを完全に理解することは難しいと感じます。 だから私は心に寄り添いたいといつも思います。 心で心に寄り添うことを支援を通じて学び、これからも成長していきたいです。 支援相談員の業務の一つとして会員様の日常生活のサポート支援があります。 病院受診や買物の付添い、手術の立会等ご家族代わりに依頼があれば何でもお手伝いさせて頂きます。 私が入社して間もなく担当させて頂いたH様は、ご主人に先立たれ子供さんもおらず、施設入居の為の身元保証が必要な為、H様のお兄様の紹介で入会されました。 H様には持病があり、生活に制限がありましたがとても前向きな方でした。 生活支援も月に数回あり、お会いする機会も多く私自身も元気をもらっていましたが、2年程経ったある日持病が悪化し入院となり、そのまま施設に戻られることはなくご逝去されました。 万一の支援、葬儀・納骨支援までのご契約だったので、最期まで務めさせていただきお兄様への報告、引継ぎを行い契約は終了しました。 H様のお兄様とは、死後事務の手続等で蜜に連絡を取らせて頂くことがありましたが、かれこれ3年は連絡を取ることはありませんでした。 つい先日、H様のお兄様より連絡があり、自分の母親を入会させたいとのご相談がありました。 とても嬉しかったです。3年も経つのに、自分の名前をしっかり覚えて下さっていたこと、自分の母親もお願いしたいと思って頂けたことでした。 日々の支援の中では辛くなることもありますが、誠意を持ってお手伝いをしていると御縁に繋がると感じた日でした。 S様が亡くなられて8ヶ月が過ぎました。 施設に入所されている息子様へ負担をかけたくないという思いから入会されました。 入会期間はわずか10ヶ月でしたが、入会時は、脳梗塞(2回目)でのご入院中で一旦は回復されましたが、施設入所後も入退院を繰り返され亡くなられました。 その間、息子様には私どもの方からお父様の想いもその都度お伝えしながら対応してまいりましたが、終末期に入り、最後、息子様の入所施設の方にもご協力いただき、お父様への面会も実現することができました。 言葉を交わすことはできませんでしたが、息子様が声をかけられるとご本人もそれまでは意識がもうろうとする中でずっと目を閉じたままでしたが、しっかりと目を開き息子様を見つめておられました。 その数日後に息を引き取られました。 私どもは、その後も、葬儀、納骨等の対応はもとより、ご本人の生前のご意思に応えるべく、息子様の入所先施設からの相談事案等についても対応してまいりました。 具体的には息子様ご本人の相続事案等に関して、ご本人から直接不安な部分やお悩み等伺いまして、それに対して少しでも安心いただけるようなご提案やご助言等をさせていただいています。 最近では、将来、息子様のご負担とならないよう、法律上の手続き等に関しましても、専門家の方々にもご協力をいただきながら完了した事案もございます。 以上のように息子様へのサポートに関しましては現在も継続しているところですが、一番は会員様ご本人の想いを大事にして対応していくことが重要であると考えています。ご夫婦で施設にご入居されたK様ご夫妻。 旦那様はお一人で外出されるほどお元気ですが、奥様は要介護5の認定を受け、日常生活の中で多くの介護を必要とされている方です。 半年近くが経過し、施設での生活にも慣れてきたご様子でしたが、先日大きな変化がありました。 奥様がお食事をのどに詰まらせてしまったとのことです。 幸い職員の方が近くにいらっしゃったため、適切な処置をおこない大事には至りませんでした。 いままでにそういったことが無かったため、K様に介護等のサービスを提供している事業者で今後の対応についての話し合いを行いました。 いまご入居されている施設は住宅と同じように自由度が高く、代わりに人の目が行き届きにくいという特徴があります。 奥様が介護の手厚い施設に移動すれば、今回のようなリスクはかなり減らすことができます。 しかしながら今回はそのようなお話にはなりませんでした。 旦那様はお元気でありながら、奥様と共に生活したいという思いでご一緒にご入居されることを決意された経緯があります。 そのため弊会を含め各事業者は、K様方が今の施設で生活ができるように真剣に知恵を出し合い、なんとかお話をまとめることができました。 話し合いの最後には、旦那様より「ここで生活できるのは、皆さまのおかげです。本当に感謝しております。」とのお言葉をいただきました。 会員様のご要望に寄り添うことで、そのようなお言葉をいただく時にはとてもやりがいを感じます。 今回の支援では「K様方が今の施設でご夫婦で生活ができる」ということを目標に、各事業者が協力してチームになっていくというとても良い形が出来上がったと思います。 会員様が安心して生活していくための環境を提供できるよう、今後も様々な事業者との連携を大切にしていきます。末期の癌に加えて持病もあった70代男性会員のY様。 入院中の病院から施設入居をされるにあたり、えにしの会にご相談いただきました。 諸事情からご家族がY様と顔を合わせるのは困難との理由で、えにしの会が施設入居にあたっての身元保証人となり、退院から入居までをサポート。 入居後も、日用品の購入代行や通院の付添での関わりの中で、お仕事のことやご家族のことを楽しそうにお話しくださいました。 「今度はご飯でも食べに行こうか」「ご体調が落ち着いたら行きましょうか」そんなやり取りをして間もなく、癌の進行からか、呼吸苦の訴えも強くなり酸素吸入を開始。 お会いするたびに「家族と会いたい」と仰られていたため、Y様の娘様にもご状況を報告していました。 さらにご病気が進行する中で、ご本人の強い希望があり、訪問診療医に相談をしながらホスピス型の施設への転居を支援。 ほぼ時を同じくしてY様の奥様がご逝去されたことも分かりました。 その事実をお伝えして、約1週間後、Y様もご逝去。ただし、前日には娘様が面会に来られ、最期にご希望が叶ったのだと思います。 ご葬儀はえにしの会で済ませ、御遺骨の一部は娘様にお渡ししました。 支援員として関わり、気さくに話しかけてくださるY様には楽しませていただきました。 また、「私にとっては良い父親だったんです」という娘様のお言葉を聞けて第三者ながら嬉しかったです。 「家族には身の回りのことをと頼めそうにない」「家族だけど事情があって支援することができない」。 そんなお悩みにお応えし、ご家族の関係を繋ぐことも、えにしの会の役割だと考えています。 是非、お気軽にご相談ください。