一口に「将来に対する不安」と言っても、その内容は人それぞれ異なります。 A様は70代。 介護認定も受けておらず、ご自宅でお元気にお過ごしでしたが、身寄りがなく、「この先、自分に何かあったとき、誰が支えてくれるのだろう」といった漠然とした不安を抱えておられました。 そうしたお気持ちから、えにしの会にご入会いただき、「これで少し安心できました」と、笑顔を見せてくださいました。 その後、A様が突然の腹痛により緊急搬送され、検査の結果、手術が必要と診断されました。 えにしの会は、身元保証人として入院手続きや手術時の説明への立ち会いを行いました。 手術も無事に終わり、退院の日にはお迎えに伺いました。 A様からは「えにしの会に入っていて本当に心強かった。ありがとう」と、感謝のお言葉をいただきました。 現在は、今回の入院をきっかけに、将来に備えて遺言の作成や納骨先のご相談なども進めています。 将来のことは誰にも分かりません。 しかし、どのような場面でも「えにしの会がそばにいてくれるから大丈夫」と思っていただけるよう、私たちはこれからも会員様に寄り添い、安心の支援を提供してまいります。通院や買い物のお付き添いなど、月に何度も生活支援をご利用下さるA様。 「えにしの会に手伝ってもらわないと私は生きていけないからね」 と今ではえにしの会にご逝去後の対応までお任せ下さっていますが、 決して順調にご関係が始まったわけではありませんでした。 施設への入居をきっかけにご入会されたA様は私がえにしの会に入社して最初の会員様となりました。 当時はコロナ渦であったため、外出が許されたのは月に1回の通院時。 お顔を合わせて会話ができたのもこのタイミングのみ。 コミュニケーションを図ることも難しい状態でした。 施設入居から半年ほどが経過したある日、施設より一本の電話が。 「A様が自宅に帰ると騒いでいる」 慌てて施設に駆け付けて説得を行うも 「あんたも私をここに閉じ込めるのか。もう解約だ!」と私を押しのけ、 ご自身で手配された介護タクシーに乗って自宅に向かわれてしまいました。 外出が出来ない、友人と面会もできない、持病に伴う食事制限などが重なり施設に対する不満が大爆発してしまったのです。 その後は施設から運んだ家具などの設置、ケアマネージャーの手配、車椅子でも生活できるよう生活空間のリフォーム、今後の通院予約などを対応する中で少しずつえにしの会への信頼を寄せて下さったA様。 施設を飛び出したことも今では笑い話として会話に出てきます。 リハビリも頑張られ、自宅内では手すりに掴まって歩けるようにもなりました。 通院やスーパーへのお買い物も楽しみにして下さっています。S様夫妻は息子の急逝後、老後の生活を大きく変更せざるを得ず、身元保証人不要の施設へ移住。 しかし、施設の対応に不満があり、マンションを購入。 奥様の転倒骨折入院で生活が一変し、施設入居のためえにしの会と契約。 奥様の退院後、リハビリ施設に入所することになり、奥様もえにしの会と契約 歩行回復後、旦那様と同じ施設に入所。 施設入居後も病院受診や買い物の同行など、サポートを続けました。 しかし、問題は多く、子どもがいないこと、ご夫婦それぞれの兄弟とも疎遠であること、息子のお墓が立てられず遺骨が手元に残っていることでした。 終活のお手伝いとして、 息子様とご夫婦のお墓を立てるために資料を集め、施設で相談をしながら手続きのお手伝いを行いました。 また、遺言作成の必要性を感じ、行政書士の先生と共に何度も修正しながら公正証書遺言を作成しました。 旦那様の容態が悪化し、救急入院となりました。 年齢や病状により手術ができず、最終的に看取り目的で入院することに。 施設では看取り経験があまりないながらも往診医ともに、「えにしの会が関わるのであれば何とかします」と旦那様の最期を迎える準備を整えてくださり、2ヶ月間ご夫婦で過ごすことができました。 奥様が長い時間動けないため、えにしの会が収骨を行い、息子様と共に納骨をしました。位牌とお墓の写真を奥様に届け、いつでもお参りできることを伝えました。 遺産の清算も終わり、 奥様からは「私が動けない中、すべてを対応してくれて本当にありがとう」と、涙ながらに感謝の言葉をいただきました。 私たちの経験は、直接お返しすることができなくとも、次に困難に直面される方々に支援を届けることで、感謝の輪を広げることができます。 経験を重ね、今後はさらに多くの方々の力となり、支え合いの力を実感していただけるよう尽力していきたいと考えています。
現在、お父様、お母様、ご子息様で当会にご入会いただいたご家族様をご支援しております。
ご状況としましては、お父様はお仕事中に事故に遭われ、常に介護が必要なご状態となられました。
お母様も現在ご入院中であり、ご子息様はまだ未成年者でいらっしゃるというご家族様です。

幅広いご年齢の会員様がご入会いただいておりますが、未成年の会員様は当会としては珍しいケースで、親代わりというと
大変おこがましいですが、えにしの会の叔母さん、のような立ち位置で日々その責任の重みを感じながら支援に携わらせて
いただいております。

以前、お父様が「自分は息子に何もしてやることができない」と悲しげな表情で仰られたことがありました。
ご子息様を常にご心配され、大切に想われているからこそ、お父様のもどかしさや不安の解消、父親としての役割の実現を
当会の支援を通じてお手伝いできればと考えております。

たとえ、身体に病気や不自由があっても、「自分らしく生きる」「あなたがあなたであること」がいちばん大切です。

当会は引き続き、ご家族様ぐるみでサポートをさせていただきます。
アパートで一人暮らしをされていたS様のお話です。 S様はそのアパートで20年近く訪問介護や通所介護を利用しながら生活されていました。 ある時、ヘルパーさんからS様が足の痛みを訴えているとの事で病院受診の付き添いを依頼されました。 急いで駆けつけ話を聞くと夜中にトイレに行った際に転倒し、ヘルパーさんが訪問するまで痛みを我慢していたとの事でした。 病院での診察の結果は大腿骨の骨折でそのまま入院となられました。 入院中にS様と関係者で話し合いを行い、S様より夜間も見守りがある施設へ転居のご希望がありました。 それからS様と数カ所施設の見学を行い、S様が気に入る施設へのご入居が決まりました。 入居が決まってからはアパートの退去の手続きや荷物の整理、引越しに関する役所手続きなどのお手伝いをさせていただきました。 施設に入居されてしばらくすると、「以前のアパートは長年住んでいたので離れるのはさみしかったけど、今は施設の人も気にかけてくれるから安心です。入院当初は不安なこともありましたが心強かったです」と言ってくださいました。 今後もS様の支えとなれるようサポートさせていただきます。日々、会員様のサポートをさせていただく中で「そんな事まで対応してもらえるの?」と 会員様や施設職員の方から驚かれることがあります。 先日、ある会員様のスマートフォンの契約の為、機種選び・契約同席・アカウント作成を行いアプリのインストールが出来る状態まで サポートさせていただきました。 最近のスマートフォンは非常に種類が多く、更に契約プランも様々用意されており使い始めるまでに、幾つもの困難があります。 正直な所、高齢者で全て理解できる方は非常に稀だと思います。 実際、その会員様も「よくわからないからあなたに任せる」とおっしゃられており、過去の使用状況から携帯キャリアや利用プランを 見直す事により、月々の支払金額を抑えることができました。 更にアカウント作成を行い使用できる状態になった時は非常に喜んでいただきました。 どんな支援でもそうですが、会員様の喜んだ笑顔を見ると頑張ってよかったと苦労が報われる気がします。 それと同時に、SNS・マイナンバーカード、スマートフォン等の昨今の社会のデジタル化に対し、高齢者が取り残されない 社会の実現の必要性を痛感しました。「えっ、私は先祖代々のお墓には入れないの?」 そんな会員様のお声をお聞きすることがあります。 私達がサポートをしていく中で、会員様のご逝去のその後についてお伺いすることが度々ございます。 会員様ご自身が最後に入る場所のお話の中で、先祖代々のお墓をご指定くださるケースが多くありますが、それが叶わない事があるのです。 お墓の管理継承者がいない時なのです。 お墓の管理をされている、菩提寺や霊園、市町村などに問い合わせてはみますが、やはり断られる事がほとんどです。 その事実がわかった時、お墓を仕舞わなければならない事をお伝えする役割を担うこともあります。 寂しい表情をされる事が多いので、お伝えする私達もなんだか申し訳ない気持ちになります。 しかし、その事を受け止めてくださり、先祖代々のお墓を仕舞い、ご自身の入る場所をしっかりとお決めになられると、不思議とスッキリのした表情になられます。 これまでなんとなく気掛かりだったことの一つに、目処が立ったからなのかもしれません。 色々な事情を抱えて、これまで過ごされてきた会員様の心から少しでも重荷を下ろしてもらえのでしょうか。 そんな大事な部分のお手伝いができることを誇りに感じる毎日です。お母様と親子二人でご入会され、施設で暮らされていたT様。お母様がご逝去され、T様は施設を出て自宅へ戻り生活を続けることになりました。 はじめは「身内も無く自分1人の生活だし、施設も出たのでもうえにしの会を辞めようと思っている」と話されていたT様ですが、ご退去の支援やお預かり品の返却など、今まで以上に関わる機会が増える中で、えにしの会を必要と感じていただけるようになりました。 ご自宅へ戻る数日前、えにしの会でお預かりしていた品々を受け取るため来所されたT様。お母様の大切にされていたコレクション品や思い出等をお話され、その日はご帰宅されました。 それから1週間後。無事に施設退去も済んだT様よりお電話をいただきました。 「引越にあたってえにしの会には大変お世話になりました。一度はえにしの会を辞めようと思いましたが、母の件で大変良くしていただき、また、自身の病気のこともあり、やはり不安がこみ上げてきました。 よければこれからも、えにしの会にお世話になりたいのですがよろしいでしょうか?」 聞けば、ご自身の病気に関係し入院や施設への再入所の可能性が浮上してきたとのこと。 「もちろん、これからもサポートさせて下さい」 T様は、安心した様子で電話を切られました。 死は誰にでも平等にやってきます。そして、遺されたご家族はその後の生活が続きます。 お元気な間も、大切な家族が亡くなった後も、関わる方の生活に寄り添える支援をこれからも心掛けていきます。
白内障の治療介護施設に入居されている会員のS様。  
白内障であるS様は、普段より支援でお会いする際に「施設の中じゃあまり気にならなかったけど、
見慣れない外の景色を見ると全体が白くボヤっとしている感じがして困ったよ。」と仰っていました。

過ごし慣れた施設での生活では気が付かない悩みが見つかり、施設職員と主治医、本人と
白内障について今後どのような関わりをしていくか面談をしました。 
その中でS様が「前みたいにハッキリ目が見える様になったらなあ」と仰っていた為、
眼科に通院し白内障を手術受ける事になりました。  
手術後、支援のためにS様にお会いすると「本当に良く見える様になった。とても嬉しいよ」と
笑みを浮かべて仰っていました。
  
家族代わりの手伝い、安心できる暮らしをサポートする“えにしの会“ですが、生活支援の中では
今回のようなサポートもさせていただいています。
お一人お一人、持っている悩みは違います。
えにしの会では、その人に寄り添ったサポートを行い、安心できる暮らしを今後もお手伝いさせて
いただきます。
 Kさんご夫妻は、施設へご入居されるにあたり身元保証人をつけるために当会に2年前にご契約されました。 以前骨折された時の後遺症があるKさんを、奥様がいつも献身的にサポートされ、当会が生活支援のご相談を頂くことはほとんどありませんでした。 ところが、今年の春、奥様がご体調を崩されて救急搬送されたとの連絡が入り、当会が駆けつけ対応を行いそのまま緊急入院。 その後、懸命な治療も虚しく奥様は1週間後に急逝されてしまいました。 お耳が遠くお電話をかけることが難しいKさんに代わり、ご親族様、ご関係者様、ご夫婦で信仰されている教会等へ連絡およびご葬儀の手配と準備のお手伝いをさせて頂き、無事に奥様のご葬儀をさせて頂きました。   Kさんのこれからのご生活のことをご担当のケアマネジャー、看護師、ヘルパー、そして施設の方と話し合い、情報共有と連携をしながらKさんが以前と変わらない穏やかな生活をお送り頂けるよう支援をさせて頂く中、次第に元気が戻り、お好きな本を読みたいご意欲もでて、少しほっとしています。   Kさんにお会いしに伺いますと、必ず奥様のお話をしてくださるので、きっと奥様もKさんを近くで見守ってくださっていますねと申し上げると、少し涙ぐまれ、 「歩行器がないと大変だけど、これからもがんばらないといけないから、来てくれるのはとても助かってますよ」とのお言葉を頂きました。   大切な方とお別れする気持ちは、言葉では表わせないと思います。 これからも、Kさんの心に寄り添い、各関係の方々と連携をとりながら、安心を感じていただける支援を心がけてまいりたいと思います。