サポート・支援事例

2023/04/27
『姪に会いたいけど・・・』
男性会員様のA様が難病を抱えて、施設入居されました。
施設に入居すると、おのずと行動範囲が狭まりますし、体のきつさもあって
自分がしたいことを伝えることができなくなってきていました。

面会に伺っても言葉が少なくなり、お声も小さくなってました。
毎日ベッドの上でじっとしている日々を過ごされていました。
ご両親、ご兄弟を亡くされてますのでご家族の縁が薄く寂しさを感じているようでしたので、
Aさんになんとか笑顔になって貰えることはないかと考えていました。

ある時、Aさんとの会話の中で「誰か会いたい人いますか?」と聞いたところ。
「姪に会いたい」と答えられました。

姪御さんの電話番号は知らないようでしたが、ご実家の電話番号は知っている
とのことでしたので、私が連絡させていただくと伝えましたが、

Aさんは、「いいよ。連絡しなくて」とおっしゃいました。

実は、えにしの会への入会は施設入居の際に、手紙で姪御さんに身元保証人を頼んだが断られ、
それでえにしの会が身元保証人となり施設に入居された経緯がありました。

結局、連絡だけしてみますねと伝え、Aさんも小さく頷いてくれました。

後日、姪御さんと連絡がとれ姪御さんから聞いた話しをAさんに伝えに伺いました。
電話でお聞きした話をそのまま伝えましたが、

その話しを聞いて、いつもは無表情のAさんが突然こらえきれなってむせび泣きされ、
大粒の涙を流されました。

Aさんは、ずっと施設入会の身元保証人を断られたことで、姪は自分のことを良く思ってない。
嫌っていると思われていたみたいです。

姪御さんの話では、身元保証人を断ったのは、その時にご自身も親の介護やお子さんの
受験などがあり、そんな中ではちゃんと面倒をみてあげることができないし、中途半端に
関わることはAさんの為にはならないという想いから身元保証人を断られたようです。

実際にすごくAさんのことは気に掛けていらっしゃいました。

自分のことを良く思っていないということではなく、やむをえないことがあったとのことを知れて、
今までのわだかまりが消えたようでした。

その後、施設に姪御さんがご家族と面会にきてくれて数年ぶりの対面を果たされました。
姪御さんやご家族と話をされる時には、いつもは体のきつさから小さい声しか出せなかった
Aさんでしたが、再会ができて本当に嬉しかったようで、声をはりにこやかに楽しそうに
話されていました。

私もそんな素敵な場面に立ち会わせていただき、Aさんの心からの笑顔が見れて、
とても嬉しく思いました。