2022/01/06
奥様の相談
Y様は、ご夫婦で入会していただいている会員様です。
お二人とも90歳を超えていますが、ご自宅で二人暮らし。
訪問介護、訪問看護などを利用しながら、病院受診や外出など介護保険外の部分はえにしの会で行うなど、連携をとりながらサポートをしていました。
あるとき、ご主人はご自宅で倒れ、そのまま息を引き取りました。
持病の心臓発作でした。
訪問看護にすぐに電話をくださり、駆けつけた看護師やわたしたちにもてきぱきと対応し、気丈にふるまっていた奥様。
お葬式が終わりしばらくしたとき、
「役所からの書類の書き方がわからないから教えてほしい」
と依頼があり、ご自宅に伺いました。
そのとき、奥様がぽつりぽつりとお話してくださいました。
得意だった料理は、ご主人のためだからリウマチで手が痛くても頑張れていたこと。
耳が悪く、ご主人がいないとチャイムの音も聞こえないこと。
実は手先が器用なのはご主人で、裁縫や細かい作業はぜんぶご主人がやっていたこと。
ご主人がいなくなってから、とても寂しく、何に対してもやる気が出ないこと。
私たちが見えていた部分以上に、心身ともに支えあって暮らしていたお二人でした。
「わたし、施設に入ろうと思うの。どうしたらいい?」
そうY様は続けました。
施設に入居されたことがなく、何から手を付けていいのか分からないとのこと。
ご希望を伺い、今後施設に入居するときの流れなどをご説明すると
「ありがとう。一人で心細かったの。けど、あなたたちがいてくれたら安心ね」
そういっていつもの元気な笑顔をみせてくれました。
これからも安心、信頼を感じていただける存在でありたいと強く思いました。